「本格的なのに、緊張しない」という矛盾
バーに入るときの緊張感を話題にする口コミは多いが、Bar Baron 中洲 Whiskey&Cocktailを訪れた客の感想は少し違う。「アフターで使ったら本格的すぎてビックリした」——驚きはあるが、居心地が悪いとは誰も書いていない。重厚な扉の先に待つのは意外なほど穏やかな空気で、バーテンダーが好みを聞きながらグラスを仕立てていく流れが緊張を解く。カウンター13席とテーブル席が混在し、1人でも複数でも居場所が確保できる構成だ。
銀座・恵比寿・渋谷・アジアなど国内外12店舗を運営するグループの福岡初出店として、東京で築いたホスピタリティをそのまま持ち込んでいる。グループの他店を巡ったリピーターが「中洲にもある」と知って足を向けるケースも多いという声を聞く。
スプリングバンク30年と、600種のコレクション
バックバーには600種類以上の洋酒が並び、その一角にスプリングバンク30年が収まっている。国内流通が大幅に減り市場価格が上がり続けているこの銘柄を在庫として持つのは、ウイスキー専門店でも珍しくなりつつある。イチローズモルトも取り扱っており、ジャパニーズウイスキーの国際的な評価を中洲の夜に体験できる。サントリーを軸にした飲み比べ企画を不定期で設けており、品揃えを生かした場をつくる意識が感じられる。
個人的には、バックバーを眺めながら飲み比べを頼む夜というのが、この店の使い方として最もはまると思っている。銘柄の選択肢が多すぎて迷う客にも、バーテンダーが丁寧に案内してくれるという話を聞いた。
季節のフルーツと、ブルーチーズのカルボナーラ
フレッシュフルーツを使ったカクテルは常時4種類以上を揃え、季節によって内容が入れ替わる。好みの果物を告げるだけで対応してくれるため、ウイスキーに馴染みがない客でも入口として使いやすい。女性客からの評判がとくに高く、デートや女性同士の利用でも違和感のない雰囲気が保たれている。オリジナルカクテル「ベイビーバニー」は飲むショートケーキと称される甘い一杯で、デザートとして締めに頼む客もいるらしい。
フードメニューは20種類以上あり、ブルーチーズ入りカルボナーラは「リピート続出中」と公式から紹介されている定番だ。バーとして本格的な酒を提供しながら食事でも満足できる構成は、長く滞在したい客の需要をうまく掴んでいる。
年中無休・翌朝5時、那珂川そばの6階
福岡市博多区中洲2-5-13 第二ラインビル6階、中洲川端駅から徒歩約4分の場所に位置する。平日・土曜は翌朝5時まで、日・祝は3時まで開けており、定休日は設けていない。PayPay・QUICPayなどキャッシュレス決済に対応しており、深夜帯でも支払いを気にせず使える。グループ本社が1からバーテンダーを育てる教育体制を持ち、スタッフの知識が接客の質を支えている。
ウイスキー初心者でも銘柄選びに困らないという声が目立つのは、バーテンダーが丁寧にヒアリングを行う姿勢の表れだ。「出張で中洲に来るたびに立ち寄っている」という常連の声が、この店の居心地の良さを物語っている。


